肥満または肥満症の合併を考えたレシピ②
揚げない肉団子の甘酢しょうがあん
(監修)
帝京平成大学薬学部教授 金子希代子 先生
株式会社フォーラル 管理栄養士 孰賀佳冬 先生
肥満または肥満症を合併する高尿酸血症・痛風の患者さんにお勧めするレシピの2回目です。1回目は副菜でサラダ系のレシピ、2回目は主菜でメインのおかずです。エネルギーを減らすことのできる調理法『茹でる』を使い、卵を入れてふんわりした食感の肉団子に仕上げました。
- 合いびき肉
- 300 g
- 玉ねぎ
- 小1個
- 卵
- 1個
- 塩コショウ
- 少々
- ☆しょうゆ
- 大さじ1
- ☆酒
- 大さじ1
- ☆砂糖
- 大さじ1
- ☆酢
- 大さじ2
- ☆おろししょうが
- 大さじ1
- 水溶き片栗粉
- 適量
1人分
- エネルギー
- :222kcal
- 食物繊維
- :0.9g
- たんぱく質
- :15.3g
- 食塩相当量
- :1.0g
- 脂質
- :15.7g
- プリン体量
- :67.5mg
- 糖質
- :5.9g
エネルギー産生栄養素バランス(PFC)=P:27.4% F:63.7% C:8.9%
※エネルギー産生栄養素バランス(PFC):エネルギーを産生する栄養素(Protein:たんぱく質・Fat:脂質・Carbohydrate:炭水化物)のエネルギー比率を示したもの
- ボウルに合いびき肉、みじん切りにした玉ねぎ、卵、塩コショウを入れよく混ぜる
- 鍋にお湯を沸かし、一口サイズに丸めたタネを入れて、茹でる
- フライパンに☆を合わせ、水溶き片栗粉でとろみをつける
- 茹で上がった肉団子をたれにからめてできあがり
いつもの肉団子を揚げずに、しょうがを効かせた甘酢だれにからめたレシピです。
一般的に、調理法としては「茹でる<網焼き<蒸す<煮る<炒める<揚げる」の順にエネルギー量が上がっていきます。
つなぎに卵を使うとふわっと柔らかく、硬めがお好みの方は小麦粉やおからパウダーがお勧めです。
日本肥満学会が編集している肥満症診療ガイドライン2022(1) によると、肥満とは『脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI)≧25のもの』、肥満症とは『肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする疾患』と定義されています。すなわち、肥満は体の状態を表し、肥満症は疾患となります。
疾患である『肥満症』の診断に必要な健康障害の1つに『高尿酸血症・痛風』が入っています。耐糖能障害(2型糖尿病、耐糖能異常など)、脂質異常症、高血圧に続いて4番目に挙げられており、さらに冠動脈疾患、脳梗塞、非アルコール性脂肪性肝疾患等が挙げられています。
BMIが25.0を超えていて痛風を経験した方または血清尿酸値の高い方は、減量が必要です。食事に気を付け、適度な運動を行って、体重を減らして下さい。食事は、腹八分目を意識して、脂っこいものを減らすと良いと思います。
そこで、今回のレシピは、低エネルギー、低プリン体を目指して、調理法に『茹でる』を取り入れました。『茹でる』と、脂肪分が湯の方に移行し、プリン体も水溶性であるため湯の中に溶け出します。『茹でる』は、エネルギーもプリン体も減らすことのできる調理法で、肥満と尿酸値や痛風の両方を心配する方に勧められます。スープは飲まずに、中身だけ食べるようにして下さい。
(1) 肥満症診療ガイドライン2022.日本肥満学会編集.ライフサイエンス出版.2022年12月.