尿酸“知”コンテンツ

合併症を
考えたレシピ

高尿酸血症に合併した生活習慣病も考慮したレシピをご紹介しています。

高血圧症の合併を考えたレシピ③
トマト缶で10分そうめん

(監修)
帝京平成大学薬学部教授 金子希代子 先生
株式会社フォーラル 管理栄養士 孰賀佳冬 先生

高血圧症を合併した高尿酸血症・痛風の患者さんにお勧めするレシピの3つ目です。「高血圧症の合併を考えたレシピ」のシリーズは3回で連載しています。1回目が副菜の『さわやかひじきサラダ』、2回目はメインのおかず(主菜)となる『ピーマンの肉詰め』、そして今回は主食として『トマト缶で10分そうめん』を紹介します。減塩(1日6g未満)や野菜の摂取も考え、簡単にできるレシピです。

材料(1人分)
そうめん
1束
カットトマト缶
1/4缶
白だし
小さじ1
水菜
1/4株

1人分

エネルギー
:271kcal
食物繊維
:3.5g
たんぱく質
:8.9g
食塩相当量
:0.9g
脂質
:1.1g
プリン体量
:48.4mg
糖質
:57.5g

エネルギー産生栄養素バランス(PFC)= P:13.1% F:3.7% C:83.2%

※エネルギー産生栄養素バランス(PFC):エネルギーを産生する栄養素(Protein:たんぱく質・Fat:脂質・Carbohydrate:炭水化物)のエネルギー比率を示したもの

作り方
  1. そうめんをたっぷりのお湯で茹で、水でしめる
  2. トマト缶の1/4量に白だしを混ぜる
  3. 食べやすい大きさに切った水菜を乗せてできあがり
管理栄養士からひと言

そうめんはたっぷりのお湯で茹でることで塩分を減らすことができます。
うま味たっぷりのトマト缶に、白だしを加えて和風にしました。
よく混ぜてから食べるのがおすすめです。
塩分が多くなりがちな麺類ですが、つけ汁を工夫することで減塩できます。
お好みで水菜の量を増やすと食べ応えUP!

コメント

 トマト缶を使うことで手軽に作ることができ、忙しい人でも簡単に楽しめるレシピです。暑い夏にさっぱりと食べられますね。
 高血圧は、診察室血圧140/90mmHg以上または家庭血圧135/85mmHg以上と定義されています。一方、高尿酸血症は血清尿酸値が7.0mg/dLを超える状態です。
 高血圧に高尿酸血症が合併することが知られていますが、その頻度は健康診断を受診した未治療の高血圧男性で16.8%(6人に1人)と報告されています。また、高血圧外来に通院する高血圧患者における合併の頻度は、男性で40.6%、女性で8.6%と、高血圧の男性では2-3人に1人が、血圧も尿酸値も高いことになります。一方、高尿酸血症からみても、尿酸値が高めの集団は正常群に比べて、高血圧または高値血圧130-139/80-89mmHg(診察室血圧)が多く、この傾向は痛風を発症していない高尿酸血症患者だけでなく、若年者、肥満者、女性でも認められています。
 この背景には、肥満やインスリン抵抗性があり、尿酸の生成が増えることに加えて、腎臓での尿酸の排泄が低下していることがあげられます。また、高血圧に伴う腎機能の低下や、降圧利尿薬など尿酸値を上げる薬の使用も高血圧に高尿酸血症が合併しやすい原因となっています。血圧を下げる医薬品として使われる、サイアザイド系利尿薬、ループ利尿薬、β遮断薬には、血清尿酸値を上げる作用があります。高血圧の治療中に痛風になった知人がいますが、原因がサイアザイド系利尿薬でした。別の降圧薬に変えてもらって、尿酸値が下がりました。このようなこともありますので、自分の飲んでいる薬を十分理解していていただきたいと思います。
 同時に、生活習慣の改善が大切になります。食事療法の基本(減塩、野菜・果物の摂取)に加えて、適正体重の維持、運動、節酒も取り入れて、健康な毎日を過ごして下さい。