高血圧症の合併を考えたレシピ①
さわやかひじきサラダ
(監修)
帝京平成大学薬学部教授 金子希代子 先生
株式会社フォーラル 管理栄養士 孰賀佳冬 先生
高尿酸血症には、いろいろな疾患が合併することが知られています。そこで今回から、高尿酸血症に合併した生活習慣病も考慮したレシピを紹介したいと思います。最初は、高尿酸血症に合併する頻度の高い高血圧症を有する患者さんを対象としたレシピで、3回の連載で紹介します。高血圧症は、何といっても塩分の制限が大切です。今回の『さわやかひじきサラダ』は、食物繊維を豊富に含み、夏に向けてさっぱりと食べられるレシピです。
- ひじき
- 大さじ2
- 黄パプリカ
- 1/2個
- 赤パプリカ
- 1/2個
- セロリ
- 1/2本
- A オリーブオイル
- 小さじ1
- A レモン汁
- 少々
- A 塩
- ひとふり
- A 白こしょう
- 少々
1人分
- エネルギー
- :26 kcal
- 食物繊維
- :3.7g
- たんぱく質
- :1.0g
- 食塩相当量
- :0.3g
- 脂質
- :0.3g
- プリン体量
- :10.9mg
- 糖質
- :3.5g
エネルギー産生栄養素バランス(PFC)= P:15.4% F:10.4% C:74.2%
※エネルギー産生栄養素バランス(PFC):エネルギーを産生する栄養素(Protein:たんぱく質・Fat:脂質・Carbohydrate:炭水化物)のエネルギー比率を示したもの
- ひじきは水で戻し、パプリカ、セロリは食べやすい大きさに切る
- ボウルでAを混ぜ合わせ1を加えて味をなじませる
梅雨の時期に合わせたさっぱり洋風のレシピです。
セロリの香りがさらに爽やかさを広げてくれます。
減塩のコツとして、塩を少なくする代わりにレモン汁、セロリで香りをプラスしました。
和風の味付けになりがちなひじきをマリネ風にしてみました。
高血圧症は日本に4,000万人以上の患者がいる最も多い生活習慣病で、高尿酸血症との合併も多く、高尿酸血症患者の3人に1人が高血圧症を合併していると報告されています。血清尿酸値の上昇は高血圧発症の独立した予測因子であることが示されていて、高血圧患者では、尿酸値を管理することが重要だとされています。高尿酸血症は男女を問わず血清尿酸値が7.0
mg/dL を超える病態と定義されていますが、高血圧などの生活習慣病のリスクマーカーとしたときには、女性ではより低い値から、生活指導を行うことが勧められます。
高血圧は、診察室血圧において、収縮期血圧が140mmg以上または拡張期血圧が90mmHg以上とされており、生活指導としては、食事療法、運動療法、減量があります。食事療法としては、食塩制限:1日6g未満、野菜・果物の積極的摂取、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控えることが勧められています。運動療法では、心血管疾患のない患者さんを対象に、中程度の強度の有酸素運動を中心に、1日30分以上の実施が勧められています。減量では、BMI
25 未満が目標になっており、4~5 kg の減量で血圧が下がることが確かめられています。
今回のレシピでも、食塩相当量は0.3g と少なく、1日6g未満を達成するのに役立ちます。また野菜が中心で、オリーブオイルを使って不飽和脂肪酸を摂取する工夫がされています。