尿路結石症の合併を考えたレシピ②
さんしょう香る肉巻き
(監修)
帝京平成大学薬学部教授 金子希代子 先生
株式会社フォーラル 管理栄養士 孰賀佳冬 先生
尿路結石を経験したことのある方から、結石の発作の時には、突然動けなくなり七転八倒の痛みを感じると聞いたことがあります。体の中に爆弾を抱えているようなもので、とても心配だと思います。尿路結石症の合併を考えたレシピの2回目は、前回の副菜に続いて、主菜(メインのおかず)の紹介です。
- 牛肉薄切り
- 6枚
- ピーマン
- 3個
- 赤パプリカ
- 1個
- 黄パプリカ
- 1個
- 水煮たけのこ
- 1袋
- ごま油
- 小さじ1
- A おろししょうが
- 小さじ1
- A 酒
- 大さじ1
- A しょうゆ
- 小さじ1
- A さんしょう
- たっぷりと
1人分
- エネルギー
- :193kcal
- 食物繊維
- :3.1g
- たんぱく質
- :13.2g
- 食塩相当量
- :0.4g
- 脂質
- :12.0g
- プリン体量
- :80.1mg
- 糖質
- :6.7g
エネルギー産生栄養素バランス(PFC)= P:27.4% F:56.0% C:16.7%
※エネルギー産生栄養素バランス(PFC):エネルギーを産生する栄養素(Protein:たんぱく質・Fat:脂質・Carbohydrate:炭水化物)のエネルギー比率を示したもの
- ピーマン、パプリカは細切りにする
- 水煮たけのこは水気を切り、同じく細切りにする
- 牛肉で野菜を巻き、フライパンに並べる
- 油を回し入れてから火にかけ、焦げ目がついたら蓋をして火を通す
- よく混ぜたAに絡めたら出来上がり
野菜がたっぷりで食べ応えのあるレシピです。
さんしょうの香りが食欲をそそります。
たけのこが入ることで、一段とシャキシャキとした食感になります。
お肉は豚肉もおすすめです。
高尿酸血症・痛風に尿路結石症を合併することが多い理由は、尿中の尿酸排泄量が増えるためだと前回説明しました。尿路結石の元になる成分はどれも水に溶けにくく、そこに同じく水に溶けにくい尿酸が追加されるためです。
尿路結石の種類としては、シュウ酸カルシウム結石が最も頻度が高いことがわかっています。不溶性のシュウ酸カルシウムができないようにするためには、尿中のシュウ酸濃度を下げる必要があり、食品中のシュウ酸にも注意が必要です。
シュウ酸は広くいろいろな食品に含まれていますが、特にあくや苦みのある植物に多く、動物由来の食品にはほとんど含まれません。シュウ酸が多いと言われているほうれん草やタケノコ、その他の山菜や野菜類は、下茹でをすることにより50%以上、シュウ酸を減らすことができますので、茹でて調理するのがお勧めです。また、カルシウムを一緒に摂取することでシュウ酸の吸収を減らすことができるので、お勧めです。
尿中のシュウ酸は、食事からのシュウ酸と体内で作られるシュウ酸に由来します。食事からのシュウ酸の吸収は一緒に食べるものの影響を受けるため、尿中シュウ酸排泄量に対する食事由来のシュウ酸の割合は15~50%と報告されています。
今回は水煮タケノコを使ったレシピを紹介しました。タケノコは食感もよく、食物繊維を多く含みます。特定の食品に偏らずにいろいろな食材を食べて、バランスの良い食生活を送って下さい。