#12医療法人社団めぐみ会
田村クリニック
https://www.tamuracl.com/index.html
東京都多摩市落合1-32-1 多摩センターペペリビル4・5階
院長丹沢 俊弘先生
日曜・祝日も診療で患者さんに寄り添う多摩市の地域医療に不可欠な存在
田村クリニックは、東京西郊多摩ニュータウンの中心地多摩センターにあり、12の標榜科と18の診察室をもつクリニックで、20名以上の専門医が診療にあたっています。私が田村クリニックに関わるようになったのは、開設されて4年目の1998年からでした。そのときの常勤医は開設者である田村先生お一人で、それ以外は非常勤で旧知の先生方に手伝いに来てもらっていました。2000年から私が2人目の常勤医として入職し、そこから22年間勤めて今に至ります。その間、常勤医は徐々に増えていき、2006〜2007年頃から規模が一気に拡大し、診療科も増えて大型化していきました。
田村クリニックでは土日祝日も休まず診療を行っており、土日しか来院できない患者さんのニーズにも応えています。患者さんは外来だけで1日平均500名ほどの来院があるため、1日12〜16名の医師が基本的に予約制で診ています。
患者さんは30歳代から高齢の患者さんまで幅広い年齢層となっています。
私は循環器内科専門医であると同時に総合内科専門医として内科全般を担当し、かかりつけ医として1,500名あまりの患者さんの健康を預かっております。患者さんの内訳は高血圧症や糖尿病などの慢性疾患中心に定期通院される方が大多数を占めています。
高尿酸血症・痛風患者さんへの生活指導 尿酸値は生活習慣病のマーカーと捉える
高血圧症や糖尿病の患者さんでは、腎機能障害や高尿酸血症の合併率が高いと感じています。私自身、300名ほどの糖尿病患者さんを定期的に診療していますが、血清尿酸値は高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病全般のマーカーになると考えています。しかし、痛風発作で来院した患者さんは発作の痛みが治まると通院を中断してしまうケースが多くみられます。そのため、高尿酸血症とは何かを理解していただく必要があります。高尿酸血症は尿酸が関節腔内で反応を起こして痛風発作を繰り返すだけでなく、腎機能障害の原因になる可能性があります。そのため、高尿酸血症が持続するライフスタイルを続けると、将来さまざまなリスクがあることを患者さんに伝えます。実際に高尿酸血症治療により、腎機能が回復することをしばしば経験しています。糖尿病や腎臓病などの生活習慣病の患者さんには管理栄養士の栄養相談や食事指導のもと、食事療法や運動療法に取り組んでもらいます。血清尿酸値の目標値は6.0mg/dL未満としており、食事療法や運動療法でも達成しない患者さんには尿酸降下薬を処方し、6.0mg/dL未満を維持するようにしています。
複数の専門医同士が連携 充実した検査機器で早期診断を可能にする
大型クリニックの利点として、治療に難渋したときなどはクリニック内でディスカッションを通して問題解決をはかります。
当クリニック内で、幅広い専門分野への対応が可能なため、必ずしも他の施設に紹介する必要がありません。たとえば、貧血の患者さんの場合、さまざまな原因が考えられます。消化器系の出血や不適切な食習慣による鉄不足だったり、胃切後慢性期のビタミンB12欠乏症だったり、さらには腎性貧血や骨髄性の血液疾患によるものだったりが挙げられます。当クリニックでは、腎臓内科医や消化器内科医、血液内科医がおりますし、内視鏡検査も迅速に実施することができます。このように、診断・治療までできることが強みです。
また、近隣の中核を担う病院としては日本医科大学多摩永山病院や東京都立多摩南部地域病院がありますが、両病院の先生方が田村クリニックで定期の外来を開いていますので、患者さんの病状に応じて、その場で自院への入院を判断いただくといった迅速な病診連携が可能です。
さらに、田村クリニックでは医療検査機器が充実しているのも特徴であり、診療放射線技師などのメディカルスタッフによるサポート体制のもと、エコー検査やCT検査、MRI検査にも対応しています。このため、検査目的で他施設を利用する必要がなく、検査のあとすぐに検査結果の説明が可能です。このように、田村クリニックでは検査から診断、治療までスピード感をもって行うことができます。
このほか、健診専用施設が併設されています。多摩市で定められた特定健康診査、人間ドック、各種がん検診などを実施することで、多摩市の地域住民や通勤者の健康を積極的にサポートしています。
多職種チームでの在宅医療 外来と訪問診療を両立させる
田村クリニックでは、在宅医療にも注力しています。私自身、今は往診していませんが、往診部長を中心に在宅医療チームが編成され、訪問診療に取り組んでいます。
また、往診部と訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所が同じフロアにあるため、必要に応じて速やかに連携をとれることが最大の強みです。現在、田村クリニックの在宅患者さんは約180名で、その内訳は老人ホームなどの施設に入所している患者さんが約30名、個人宅で療養している患者さんが約150名います。
訪問診療や居宅介護支援については、在宅ケア相談室が窓口となっています。相談室には6名のケアマネジャーが在籍し、在宅医療の相談業務を行っています。外来診療を受けているご高齢の患者さんやご家族が通院困難になり在宅での医療を希望された場合は、在宅ケア相談室を紹介して往診部の先生に対応いただきます。その足で相談室に寄っていくようにお話ししてスムーズに在宅療養につなぐようにしています。このほか、地域の病院からも患者さんの受け入れの相談が寄せられます。
患者さんの満足度がより高まるサービスを目指して
田村クリニックは日頃より多摩市の患者さんから頼りにされていることを誇りに思う一方で、地域医療における責任の重さを感じています。診療は基本的には予約制ですが、予約外の患者さんも決して断らないので、診察の待ち時間が長くなってしまう場合もあり、悩ましいところです。コロナ禍においては発熱外来を設置するなど、地域医療への貢献を目指していますが、コロナウイルスのPCR検査をするだけの発熱外来で終わらせることのないよう設備の充実も含め、工夫の余地があると考えています。診療が終わって帰るとき「来てよかった」と思われるよう、患者さんの満足度をこれまで以上に高めるサービスを提供したいと思います。
当クリニックの運営理念は「信頼できる医療をもっと身近に」というものですが、何でも相談できるかかりつけ医として、かつ総合病院の専門外来に負けない質の高い医療を提供できるよう努力していきたいと思っています。