薬剤師eye

#4 ドラッグセイムス 堀の内薬局

店舗紹介

ドラッグセイムス堀の内薬局は大宮駅から徒歩20分弱程度の場所にあり、近隣には武蔵一宮氷川神社と約2km続く緑豊かな参道や地域の方の憩いの場である大宮公園があります。

当薬局は月に3,500枚ほどの処方せんを応需しており、近隣の特定医療法人双愛会 大宮双愛病院とは特に密な連携をとっています。大宮双愛病院では、コロナ禍においては発熱外来を病院駐車場に設けて診察していましたが、当店舗は発熱外来を受診した患者さんに処方されたお薬を発熱外来でお待ちの患者さんまでお届けするなど、病院との協力体制を構築し、感染拡大予防の一役を担いました。ドラッグストアの営業時間は8:30〜21:45、調剤室は9:00〜19:00、調剤は常に薬剤師5~6名、調剤アシスタント3名程度で業務を行っております。

写真1おくすり受け取りロッカー

おくすり受け取りロッカー、処方せん受付ポストの運用実態

「おくすり受け取りロッカー」とはお薬の説明やお会計を終えた後、お薬の受け取りをロッカーを介して行うサービスです(写真1)。当店はドラッグ調剤併設型の店舗であり、ドラッグストアが営業中でも調剤室を閉めている時間帯があります。そのため、従来は調剤室が営業している時間にお薬を受け取っていただかなければならなかったのですが、「おくすり受け取りロッカー」を設置することで調剤室の営業時間外でも受け取ることが可能となりました。

写真2処方せん受付ポスト

おくすり受け取りロッカー、処方せん受付ポスト活用による患者さんおよび医療機関のメリット

まずは、調剤室の混雑状況によらずお薬を受け取れることは、患者さんにとってもスタッフにとってもストレス軽減になっています。このサービスは、お仕事や子育てでお忙しい患者さんや服用薬の数が多く一包化調剤に時間を要する患者さんで特にお勧めできます。仕事の合間に受診される患者さんは薬剤を受け取る時間がない場合もあります。そんなとき、このサービスを利用し、翌日仕事に向かわれる際にお薬を受け取る患者さんもおられます。また、昨今の医薬品の供給不安や新型コロナウイルスの影響による医薬品の流通の乱れなどにより当日お渡しすることができず、取り寄せが必要な薬が多数発生しています。従来は患者さんに再来局いただいた後にお待ちいただくこともありましたが、「おくすり受け取りロッカー」により、多くの患者さんの負担軽減につながっています。

さらに、「処方せん受付ポスト」(写真2)については、ネットやアプリによるオンラインの処方せん受付サービスもありますが、特にご高齢の患者さんで利用が難しいといった声も多く、またオンラインで受付をしても来局時に処方せん原本を忘れてしまうケースも少なくありません。医療機関においても電子処方せん対応されている施設はまだ多くなく、患者さんのご都合に応じて利用できる「処方せん受付ポスト」の有用性は高いと感じています。「処方せん受付ポスト」の設置は患者さんの薬局での待ち時間を削減するだけでなく、薬剤師によるお薬の説明を十分に行える時間が確保できるという二次的な効果もあり、服薬アドヒアランスの向上や適切な薬物治療の貢献にも寄与できると考えております。

運用課題と今後の展望

当社の「おくすり受け取りロッカー」は冷蔵機能がないため、インスリンや坐剤などの冷所保管の医薬品や配合変化に注意が必要なシロップ剤を保管することができません。また、処方せんの使用期限切れに最大限の注意が必要となり、ポスト投函口に受付可能な処方日を大きく掲載して対策を図っていますが、それだけでは十分でないと感じています。ライフスタイルの多様化の速度はますます早まっており、薬局サービスもそれに対応していかなければなりません。今後も両サービスの認知度を高め、地域に信頼される薬局を目指してまいります。