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Vol.7トラブルのないトラベルのための、痛風・高尿酸血症対策を
海外への旅行や出張で痛風発作を起こすのは避けたいところですが、日常とは違う環境で、緊張を感じたり、日常のストレスから解放されて暴飲暴食をしてしまったりすることが考えられます。改めて、痛風・高尿酸血症との付き合い方を再確認するとともに、万が一、痛風発作が起きたときの対策も考えておく必要があります。
まずは医師と相談1,2)
まずは、医師と患者さんで持っていく薬や、渡航先での食事について話し合いましょう。動脈硬化や高血圧、腎臓病、糖尿病などを併発している場合は、その病気のケアも必要になります。一般的な注意事項としては、尿酸値をコントロールする薬を医師の指示通りにきちんと服用することです。帰国が遅れる場合なども考慮して、治療中の方は多めに薬を持っていくようにしましょう。
また、渡航先では食事の時間が不規則であったり、暴飲暴食になったりしがちです。もう一度、食事やお酒の適切な量の目安を確認しておきましょう。
「適正なエネルギー摂取量」は活動量によって異なりますが
標準体重1kgあたり25〜35kcal/kgをかけて算出する。
※標準体重(kg)=身長(m)2 ×22
詳細はこちら飲み薬以外に尿酸値を下げる方法は?
疲労をためないように、入浴するなどリラックスする時間をつくり、睡眠を十分にとることも大切です。
特別機内食を注文してみる3,4)
航空会社では、子供向けや、アレルギーのある方向けの食事、宗教的な約束事に留意した食事など様々な特別機内食が用意されており、健康をサポートする食事も用意してもらうことが可能です。
事前申し込みが必要となりますので、各航空会社のサイトなどから確認をしましょう。
特別機内食
- 低糖質のお食事(DBML)
- 低塩のお食事(LSML)
- 低脂肪のお食事(LFML)
- 低カロリーのお食事(LCML)
- 1食あたり400kcal未満とし、24時間以内の摂取カロリーが1200kcal以内を目安として調整されている食事です。
- 消化の良いお食事(BLML)
- グルテンフリーのお食事(GFML)
- 低乳糖のお食事(NLML)
- フルーツのお食事(FPML)
- シーフードのお食事(SFML)
海外旅行中の痛風発作1)
海外旅行は、時差により生活や体のリズムが乱れ、慣れない環境によるストレスから体調を崩しやすくなります。発作時の対策を考え、使い慣れた薬(コルヒチンや非ステロイド系消炎鎮痛薬)の携行を検討した方がよいでしょう。また同様に、普段から使っているかぜ薬や胃痛薬なども持っていくと安心です。
痛風が慢性化している場合は、痛風の治療ができる病院を前もって確認しておくことも必要かもしれません。日本の場合、健康保険制度のおかげで、医療費の負担が少ないですが、海外で、自費診療になってしまうと高額な費用がかかることが想定されますので海外旅行保険などに加入しておくことも検討が必要です。ただし、痛風に関する治療が補償の対象外となる場合もありますので、しっかり確認してから加入するようにしましょう。
参考文献
1) 日高雄二 : 患者のための最新医学 痛風・高尿酸血症 改訂版 高橋書店: 181, 2020
2) 日本痛風・核酸代謝学会 ガイドライン改訂委員会 編: 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版 診断と治療社: 141, 2018
3) ANA特別機内食(https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/inflight/service/international/spmeal/)
4) JAL機内特別食(https://www.jal.co.jp/jp/ja/inter/service/meal/special/menu/)