#1 セイムス さいたま新都心薬局
自動調剤機器など対物業務を圧縮し対人業務を充実
自動調剤機器導入によるメリットとしては、ヒューマンエラーによる調剤過誤防止、待ち時間の短縮などがありますが、最大のメリットは今まで調剤に割かざるを得なかった薬剤師の時間を患者さんとの会話に還元できることです。たとえば、270包を分包する場合、散剤の計量作業の後、一般的な分包機では45包×6回で分包作業を行っていましたが、自動調剤機器導入後はボタンを押すだけで完了できます。処方数の多い錠剤の1包化調剤でも、機器を事前に設定しておくことで、PTPシートから薬剤を出すことなく、パソコンのボタンを2、3回押すだけで簡単に調剤が行えるようになりました。
調剤に費やしていた時間の大幅な短縮により、患者さんとの対話時間を以前と比べ格段に増やすことが可能になりました。その結果、薬剤の説明だけに終わらず、患者さん個々の生活背景などを伺う機会が増え、患者さん個々に応じた服薬指導に活かせるようになりました。
そのことが、患者さんからの「かかりつけ薬剤師」としての同意数増加にもつながりはじめています。薬局側としては、機器故障を未然に防ぐための定期的なメンテナンスも欠かせないため、導入後のランニングコストも予算化しておく必要がありますが、それを上回るメリットがあると実感しています。
外来がん治療認定薬剤師を目指し、薬剤師の専門性向上に努める
外来がん治療認定薬剤師への取り組みは、以前より近隣のさいたま赤十字病院、埼玉県立小児医療センターとの連携会を3ヵ月間に1回のペースで行っています。また、さいたま赤十字病院のレジメン研修会にも参加しており、今後はさらに病院内の薬剤部や医薬品メーカーMRの研修会への参加や処方医との面会機会の取得を計画しています。
さいたま赤十字病院の乳腺外科の先生方および薬剤部でがん治療認定を取得されている薬剤師とのコンタクトは密であり、他の店舗と比較して認定取得に向けての環境は整っています。今後は「専門医療機関連携薬局」がますます注目され、患者さんにも認知されることになると思われ、その時代の流れに対応できる薬局を作ることは最優先課題です。現状、社内では手上げ制として外来がん治療認定薬剤師を公募していますが、今後は全社員が研修として学べる場を整備することが急務です。そのパイオニアとなるべく、セイムスさいたま新都心薬局が学べる「場」としてのノウハウを早期に確立していきたいと考えます。